■王とメイドの切ない恋物語■
「じゃあ、そろそろ戻るか」

トーマ様は、立ち上がった。

「あ、待ってください」

私は、ポケットにしまってあった、しおりを取り出した。

「あの、こんなものでごめんなさい。誕生日プレゼントです。よかったら、使ってください。お誕生日おめでとうございます」

トーマ様に、四つ葉のクローバーのしおりを手渡した。

トーマ様は、少しびっくりしたみたいだが、すぐ笑顔になった

「ありがとう、リリア。プレゼントもらえるなんて、思ってなかったよ。あー、本当うれしいよ。大事にする。ありがとう」

トーマ様は、私に笑いかけると、大切そうに、しおりを内ポケットにしまった。

トーマ様の笑顔、本当に大好き。

よかった。喜んでもらえて。


< 282 / 396 >

この作品をシェア

pagetop