■王とメイドの切ない恋物語■
とっさに、

「リリア、ここに隠れてて。好きにしてていいから」

トーマ様が、隣の部屋を指差した。



私は、うなづき、急いで隣の部屋に入った。

パタン

ドアを閉めて、ほっとした。



見つかりませんように。

誰が来たのかな?

すごく気になったけど、盗み聞きも悪いので、ドアから離れた。



部屋を見渡すと、どうやらここは、トーマ様の寝室らしい。

中央に大きな立派なベッドがあり、サイドテーブルには、お洒落なランプと、読みかけの本が置いてあった。

壁には、大きな絵画がかかっている。

その他は特に何もなく、いたってシンプルな部屋だ。


トーマ様、いつもここで寝てるんだ。

私はベッドに近づき、座ってみた。




10分後…

うーん、まだかな。

「ふぁああ」

今日は、忙しかったもんな。

あくびが出てくる。

ちょっとだけ…。


私は上半身だけ、ベッドに横になってみた。

ほんのり、トーマ様のいい香がする。

なんか、トーマ様に包まれてるみたい。

幸せ…。


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