■王とメイドの切ない恋物語■
しばらくして、朝食が終わると私はラノス様に近寄った。


「ラノス様。少し用があるので、申し訳ないんですが30分抜けていいですか?」

専属メイドなのに、こんなこと言ってていいのかな。

1回だけ、ワガママ聞いてください。




「いいよ。特に用事ないし。部屋にいるから、用が終わったら来てくれればいい」

そう言うとラノス様は、部屋に戻っていった。

ありがとう、ラノス様。

よかった。

これでジュリアと話ができる。


私は、さっき広間を出た、ジュリアを追いかけた。





ドアを出て、少しの所でジュリアを見つけた。

「ジュリア、待って」

ジュリアが、振り向く。

「あ、リリア」

私は、ジュリアに追いついた。

言わなきゃ。

「ジュリア、ラノス様の専属メイド、代わってもらって、ありがとう」

ジュリアは、そのことね、と笑った。


「いいよ。ラノス様かっこいいしね。それに、私、失恋したばかりだから、気分転換にちょうどいいわ」

え?



< 326 / 396 >

この作品をシェア

pagetop