■王とメイドの切ない恋物語■
わーい、誕生日にトーマ様とデートだなんて、嬉しすぎるよ。

あと2週間かぁー。

待ち遠しいな。

チチリさんに感謝、感謝。

後で、何か持っていこうっと。



…ん?

馬小屋?

「トーマ様、私、馬に乗れないよう」

トーマ様は、笑う。

「わかってるさ。また俺に、つかまっていればいい」

私は、前のランチの時のことを思い出す。


あれって、結構密着して、めちゃくちゃ恥ずかしいんだよね。

でも…トーマ様と寄り添えるからいいかも。



「リリア、何か顔赤くない?」

トーマ様が、覗きこんでくる。

「なっ 何でもないよ」


私が後ろを向くと、トーマ様が後ろから抱き締めてくれた。

ドキドキ…。

あー、幸せだよ。

包まれてるって感じがする。

私が、ひたっていると

トーマ様が、私の耳元で、ささやく。




「今日…泊まっていく?」

ひいぃぃーっ

あの、わたし、まだ心の準備が…。


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