■王とメイドの切ない恋物語■

報告

「これから、どうしようか?すっかり暗くなっちゃったね」

私は星空を見上げた。

空には、無数の星が、ちりばめられていた。



「リリアの家、行ってもいいかな?ちゃんと挨拶しときたいし」

そうだよね。

婚約したんだもんね。私達。

嬉しくなる。

ありがとう。

両親に報告しなきゃね。



私たちは、夜空の下、私の実家に向かった。

トーマ様と、実家に入るなんて緊張する。

私はドキドキしながら、ドアを開けた。



「ただいま」

「あ、リリア」

お母さんが、立ち上がる。

ちょうど、みんなで夕ご飯を食べおわった所だったみたいだ。



「こんばんは」

トーマ様も頭を下げる。

お母さんは、トーマ様を見て、

「さぁ、中に入って」

と、招き入れた。





「お母さん、あの…」

何て説明しよう。

どこから説明すればいいの?

「まーくんね、本当に久しぶりよね」

え?

「お母さん、この人が、まーくんだってわかるの!?」

「ええ、だって面影残ってるじゃない。昔から綺麗な目をしていたわよね」

お母さんは、トーマ様に微笑みかける。


「お久しぶりです。あの時はお世話になりました」

トーマ様は、少し照れ笑いして、お母さんと握手した。


「さぁ、あなた達、夕御飯まだでしょう?ステラさんが、後で来るかもよって報告しに来てくれたから、作っておいたのよ。食べ終わったら、ゆっくり話をしましょう」


お母さんは、そう言って台所に消えていった。

「んー。じゃ、座ろうか」

トーマ様は、頷いた。

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