■王とメイドの切ない恋物語■
しばらく泣いて、大分落ち着き、トーマ様を見ると、優しく私を見つめてくれていた。

「ずっと看病しててくれたのか。ありがとう、リリア」

トーマ様は私の手を、優しくにぎった。

「いいの。トーマ様も、ありがとう。妹を守ってくれたんだよね。本当にありがとう」

なんてお礼を言ったらいいのか、わからないよ。





「あの子は…無事か?」

「うん、トーマ様のおかげで、かすり傷ですんだみたい」

さっきマーヤさんが、教えてくれた。

「そうか。良かった」

トーマ様は、ほっとしたように、目を閉じた。




トーマ様、あなたは私だけじゃなく、家族まで命懸けで守ってくれる。

嬉しいけど、いつか、本当に命を懸けてしまうじゃないかと私は、不安で仕方ないよ。




「リリア、どうして、そんな悲しい顔をしているんだ?」

トーマ様が、心配そうに私を見ている。

「こうやって、いつも守ってくれて、いつか…いつかトーマ様が、いなくなってしまうんじゃないかって…」


私は、うつむき、小さく震える。

トーマ様は、しっかり私を見て、

「俺は一生、リリアを守る。だから、絶対死なない。約束する」

握る手に力をこめた。

「うん」

私は、うなづき、トーマ様の手に、頬をくっ付けた。
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