■王とメイドの切ない恋物語■
「リリア。本当に綺麗だ。世界一の女性だよ」

トーマ様は、優しい顔で微笑んだ。



そして、私の耳元で、

「今すぐここで抱き締めたいくらいだ」

と、ささやき、笑う。

「もーっ」

私も笑った。





「じゃあ・・・、発表しようか」
「はい」

私とトーマ様は、皆の方に向き直る。



緊張するな…

私は胸を張り、姿勢を正した。




トーマ様が、深呼吸する。

「みんな、聞いてくれ」

トーマ様の一声で、みんなこっちに注目した。



トーマ様は、一呼吸あけて、

「みんなも、もう解っていると思うが、今、私とリリアは付き合っている」

皆が、私とトーマ様を見つめている。


「私は、1人の人間として、リリアを愛している。そして、リリアも、私を1人の人間として、愛してくれている」

皆の眼差しが温かい。



「そして…、今度、私達は、結婚することになった。みんなに、祝福してほしい!」

トーマ様は、一気に言い切った。





一瞬、静まり返り、そして、あふれんばかりの歓声に変わった。

「わー!!」

「おめでとう!」

「最高のカップルよ!」

「お幸せに!」

会場内が割れんばかりの、拍手に包まれた。




ありがとう。

みんな、ありがとう。



みんなの笑顔で、会場内が埋め尽くされた。


トーマ様と目が合い、微笑みあう。

私、本当に幸せだよ。






そして、トーマ様が、みんなに言った。

「みんな、ありがとう!これからも、2人をよろしくな。さぁ、パーティーの続きをしようか!」



トーマ様の声とともに、再び歓声が巻き起こり、パーティーが再開された。



< 394 / 396 >

この作品をシェア

pagetop