■王とメイドの切ない恋物語■
「うん、おいしいよ」

「あっ ありがとうございます!」

うれしいっ

すごく、すごくうれしいよーっ

神様ありがとう!

クッキー焼こうって言ってくれたお母さん、ありがとう!

勇気出した私よ、ありがとう!



一気にテンションが上がる。

いま、絶対、顔が、にやけているよ。


おさまれ、おさまれ~~~~。

幸せだなぁー。手作りおいしいって言ってもらえるなんて。


トーマ様は、クッキーをほうばりながら、

「リリアは、料理上手なんだな」

と、呟いた。



「いえ、そんなっ、そんなことないです」

更なる、うれしい言葉に、私の頭は、パンク寸前だ。

トーマ様、これ以上は、私の心臓がもたないよ。



ふと、トーマ様はクッキーを食べるのを止めて、こっちを見た。


「リリアに、ちょっと頼みたいことがあるんだが」

真剣な顔だ。なんだろう?


私は、ちょっと不安になった。


でも、トーマ様の頼みなら、何でも叶えたい。

< 79 / 396 >

この作品をシェア

pagetop