■王とメイドの切ない恋物語■
少しして、エリザベス姫が到着した。


みんな一斉に頭を下げる。


マーヤさんが、エリザベス姫を城の方へ案内している。

エリザベス姫は何だか、つんっとしていて、やっぱり、あまり印象よくなかった。


まぁお姫様って、みんな、あんな感じなのかな?



城に入ると、トーマ様がいた。


あっ トーマ様っ

姿を見れただけで、自然にニコニコしてしまう自分がいた。



トーマ様は一礼し、エリザベス姫を出迎えていた。

「エリザベス姫。ようこそおいでくださいました。何か困ったことがあれば、遠慮なしに言ってください」


やっぱり、こうやって公の場でみると、言葉は優しくても、かなり威厳がある。

表情も、態度も堂々と王の風格が漂っている。

19歳なのにすごいよ、トーマ様。



ふと姫を見ると、今まで、つんっとしていたのが、嘘のように、しおらしい可愛い姫になっていた。

「まぁトーマ様、わざわざ迎えに来てくれたのですね。ありがとうございます。わたくし、とても不安だったんです」

そう言って、最高の笑顔をトーマ様に向けていた。



あれれ?

さっきと全然違うような気が・・・


なんだか嫌な予感がするよ~~


私はますます、この先1週間が、不安になるのだった。


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