■王とメイドの切ない恋物語■
私、何かした?

なんで怖い顔してるの?

「あの…、何か?」

私は、オロオロしながらエリザベス姫を見つめた。

「あなた、さっきからトーマ様のこと見てたでしょ?あなた、トーマ様のことが気になっているんじゃないの?」


え?ばれてる?

なんでなんで?

なんでわかっちゃったの?

女の感ってやつかな。

誤魔化さなきゃ。

「いえ、そんなことは…」


エリザベス姫は、私をちらっと見て、ふんっと笑い、

「まぁ仮にそうだとしても、勘違いするんじゃないわよ。あなたは、ただのメイド。ただのね!トーマ様にふさわしいのは、このわたくしよ。帰るまでに絶対ものにしてみせるわ」

エリザベス姫はそう言うと、フフンと笑った。


せっ…性格悪い…

あまりのことに絶句してしまった。

トーマ様が幸せになるのであれば、つらいけど、忘れようと思ってるよ。

本当の所はね。


でも、エリザベス姫と付き合ったら、トーマ様は幸せになれないと思う。

うん、絶対。

トーマ様には幸せになってほしい。


世界一幸せになってほしい。

だから、エリザベス姫だけはイヤだよ・・・・

トーマ様・・・

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