幻想ランプ店

出張ランプ店〜梅雨編〜



灰色の鬱々した空
朝からしとしと降る雨
青と紫の、六月の花


夜色の青年と唐紅色の少年


「やけに多いな」

「梅雨だからね」

「それ関係なくないか。実のところどうなんだ?」

「翡翠色のサービスだよ」

「ふーん」

「さて、どんな夢を奏でてくれようか」



青と紫の紫陽花の花片
梅雨のひとしずく
雨の歌
ラベンダー色の傘
紫陽花の花言葉
露草
アンティークのカエルのおきもの
天色の飴



ぽっと灯る淡い虹色
梅雨から梅雨明けへと導く灯のように
そして雨は上がり

「さすが幻想のランプ職人だな」

「暁にはほど遠いけどね」

「お前は素直さが足りないと思うが?」

「素直な僕なんて気持ち悪い、って悪口言ったのはどこの誰」

「まあ否定はしない」




虹の下の楽園

六月も憂鬱じゃない
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

幻想月夜
椿灯夏/著

総文字数/5,479

絵本・童話26ページ

表紙を見る
月下の秘密
椿灯夏/著

総文字数/2,479

ファンタジー7ページ

表紙を見る
神隠しの杜
椿灯夏/著

総文字数/54,119

ホラー・オカルト164ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop