小悪魔王子に見つかりました
「あー、羽芽ってそういうのなんか信じなさそうだもんね〜」
と陽香ちゃんが笑う。
「まぁ、神頼みとかおまじないとか、そういうので関係性繋ぎ止めるのって違くない?って思う」
「なるほど……」
なんだか羽芽ちゃんがいつもよりもうんと大人に見える。
言われてみれば確かに、とも思うし。
「えー!わかってないな〜!なんでもいいから縋りたいあやかりたいって必死になるぐらいの熱い恋してるってことじゃーん」
「……んー、でも、そのアンカーに選ばれたカップル全員が結ばれて結婚してるわけじゃないでしょ?結ばれなかったかもしれないし、別れてる人たちだっているでしょう?」
「そうだけどさ〜!」
「羽芽、厳しい〜〜!ま、羽芽のそういう現実主義的なところも好きなんだけどね〜」
和子ちゃんがそう言って卵焼きを頬張った瞬間、
「なになに、なんの話してんの〜?」
と尾崎くんが和子ちゃんと陽香ちゃんの間からひょこっと顔を出してきた。