小悪魔王子に見つかりました
「注目決まってるなら早───」
『早く』
そう言おうとしたけど、
羽芽の後ろから遠慮がちにひょこっと出てきたその姿に息を止めた。
え。
なんで。
こんなところにいるの。
「……こ、こんにちは、寧衣くん」
大きな瞳が上目遣いでこちらを見ている。
「姫茉……なんで……」
目の前にいるのは紛れもない。
私服姿の彼女。
クリーム色の花柄ロングワンピース姿で、髪は緩く巻かれていた。
……待ってくれ、可愛すぎる。
「朝からみんなで遊んでいたんだけどね、姫茉がまだ寧衣の働いてるところ見たことないっていうから、なら行ってみようかってなって」
と、テーブル席の方に視線を送った羽芽。
その視線の先を目で追うと、奥の席に見慣れたメンバーがいた。
羽芽たちといつも一緒にいる原宮さんと安藤さん。
そして……木野。
え、いや何してんの木野。