小悪魔王子に見つかりました



「浅海さん!」

翌日の登校途中。

まだあのクラスの雰囲気に慣れなくて、いつもより遅めの時間に学校の門をくぐったら。

聞き覚えのある声に名前を呼ばれて。

胸が鳴ったのと同時に振り返った。

「寧衣くんっ」

そこには、私に手を振りながらこちらに向かってくる、美少年の姿。

その後ろには、彼の友達の井手上さんと尾崎さんが歩いていた。

寧衣くんが歩いてるだけで周りの人たちの視線は彼に集まるのに。

大きな声で名前を呼ばれちゃ、教室での状況と同じじゃないか。

……悪い気はしないけど。

というかむしろ、最近の私は彼に会うのが楽しみになっている。

今までやらなかったことをやるようになった。

寝る前にパックをするようになって、トリートメントをするようになって。

そんなことをしたって何も変わらないことはわかっているのに。
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