小悪魔王子に見つかりました
*
「浅海さん!」
翌日の登校途中。
まだあのクラスの雰囲気に慣れなくて、いつもより遅めの時間に学校の門をくぐったら。
聞き覚えのある声に名前を呼ばれて。
胸が鳴ったのと同時に振り返った。
「寧衣くんっ」
そこには、私に手を振りながらこちらに向かってくる、美少年の姿。
その後ろには、彼の友達の井手上さんと尾崎さんが歩いていた。
寧衣くんが歩いてるだけで周りの人たちの視線は彼に集まるのに。
大きな声で名前を呼ばれちゃ、教室での状況と同じじゃないか。
……悪い気はしないけど。
というかむしろ、最近の私は彼に会うのが楽しみになっている。
今までやらなかったことをやるようになった。
寝る前にパックをするようになって、トリートメントをするようになって。
そんなことをしたって何も変わらないことはわかっているのに。