ふたつの羽根
気にすんなって言われても気にするよ。
あたしが知らないとでも思っているのだろうか…
ってか、あたしがいけないんだよね。
何も言わないあたしが。
「授業始めるぞー」
担任が来てソッコーだらだらと座りだす生徒達。
あたしが外を見ていると「美藤」と担任の声が耳に飛び込んできた。
教壇に立つ担任に目を向けると「田上、呼んで来い」と、あたしの隣の席に指差す。
「はっ?あたしですか?」
「おぉ…頼むな」
そう言って担任は廊下に指差す。
早く行けって事か…