ふたつの羽根

「だって、そうじゃん。初めは愛してんのに何かあると別れはくる。それを繋ぎ止めるのが愛でしょ?でも、それを終わりにさせようとしてるのは今の里奈ちゃんじゃん」


「えっ、あたしですか?」 


正直、何であたしが悪よばわれされているのかが分からなかった。


香さんは眉を寄せながら頷き、深く息を吐く。


「自分が弱いため、自分が辛いからって、すぐ諦めて別れを選ぼうとしてる。そんなの自分勝手じゃん。陸、里奈ちゃんの事、好きとか言ってなかったわけ?」 


そう言えば陸は言ってた。

頭を抱え込むあたしを見て香さんは言った。


「正しい答えだけを選んで生きてても、幸せになれるとは限らないでしょ?」


あたしの答えは間違ってた? 

陸との別れを選んだ後、その後は幸せになれるの?


んなわけないじゃん。

だって、あたしには陸が必要だから…


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