ふたつの羽根
「おーい」
ハッと声に気付き我に返ると目の前で軽く陸が手を振っていた。
「あっ…」
目が合うと陸はフッと笑ってコップに指差す。
指されたほうをジッと見るとストローをガンガン突き刺したせいかテーブルにはアイスティーが飛び散っている。
げっ!こんなになるまで…
あたしは軽く息を吐き手拭きで回りを拭きながら「今日も…」と口を開いた。
「今日もクラスの男子に同じ事、言われた」
陸は「へー」と声を漏らし「俺と同じ人種だな」と笑いで返してきた。
同じ人種か…
あー…確かに大人っぽい所は田上に似てるかも。