お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
そして今日使う最小限のものだけロッカーに残し、あとはすべて片付け済みなんだけれど……。
自分の中に、こういうときに戦う語彙がなさ過ぎて呆れる。
でも、何を言ってもクールに突き返されてしまいそうだし、私だってこれ以上そんな態度を取られたらムカムカするし、おはぎを大食いしただけでは昇華できないだろう。
私はひとつ決意してから、今日鞄の中に詰め込んできたものを取り出して、井山さんのそばに寄った。
そして、木箱に入ったそれを、彼女の目の前にずいっと差しだした。
「あの、これ、食べてもらえませんか」
「は? なんですかいきなり」
「私がこれからも守っていきたいものです」
木箱の中にあるのは、実家で寝ずにつくった新商品の大福だ。
若い女性にも受け入れられてもらえるように、見た目も美しく、味の組み合わせも何通りも試した自信作。
「餞別的なものですか? いいです、別に和菓子好きじゃないんで」
「いいえ食べてください。井山さんのご実家も自営業なら、お店を守りたい気持ちは少なからず分かってくださいますよね」
「……勝手に仲間意識持たれても困ります。そしていりません」
「いやです、食べてください! あと、ずっと言いたかったんですけど、仕事と関係ないところで恨み持たれても、すっごく困ります!」
「ちょっ……、そんなにお菓子押し付けないでくださ」
「最後だからハッキリ言いますけど……私が高臣さんと結婚したのはビジネス目的です!」
「は……?」
ぐいぐいお菓子を押し付けながら、勢いで言い放った私の言葉に、井山さんは鳩が豆鉄砲を食ったような表情をした。
そばにいる岡田さんも、同じように目を丸くして見開いている。
私は少し息切れをしながら、ゆっくり言葉を続けた。
「したたかとか、そんな風に思われても仕方ないかもしれません。それでも、結婚を条件にしてでも、大事なお店を守りたかったんです」
「何ですかそれ……、結局お金目的じゃ」
「でも今は、真剣に高臣さんのことを想っています。大事にしようと、心の中で誓いました」
「そんな話、興味ないんですけど……」
「私のこと恨んでてもいいので、ひとつだけこの和菓子を食べてもらえませんか。そしたらもう、絡んだりしません」
井山さんには、すべて正直に打ち明けて真っ向からぶつかるしかないと思った。
だから、政略結婚であったことも、正直に話した。
自分の中に、こういうときに戦う語彙がなさ過ぎて呆れる。
でも、何を言ってもクールに突き返されてしまいそうだし、私だってこれ以上そんな態度を取られたらムカムカするし、おはぎを大食いしただけでは昇華できないだろう。
私はひとつ決意してから、今日鞄の中に詰め込んできたものを取り出して、井山さんのそばに寄った。
そして、木箱に入ったそれを、彼女の目の前にずいっと差しだした。
「あの、これ、食べてもらえませんか」
「は? なんですかいきなり」
「私がこれからも守っていきたいものです」
木箱の中にあるのは、実家で寝ずにつくった新商品の大福だ。
若い女性にも受け入れられてもらえるように、見た目も美しく、味の組み合わせも何通りも試した自信作。
「餞別的なものですか? いいです、別に和菓子好きじゃないんで」
「いいえ食べてください。井山さんのご実家も自営業なら、お店を守りたい気持ちは少なからず分かってくださいますよね」
「……勝手に仲間意識持たれても困ります。そしていりません」
「いやです、食べてください! あと、ずっと言いたかったんですけど、仕事と関係ないところで恨み持たれても、すっごく困ります!」
「ちょっ……、そんなにお菓子押し付けないでくださ」
「最後だからハッキリ言いますけど……私が高臣さんと結婚したのはビジネス目的です!」
「は……?」
ぐいぐいお菓子を押し付けながら、勢いで言い放った私の言葉に、井山さんは鳩が豆鉄砲を食ったような表情をした。
そばにいる岡田さんも、同じように目を丸くして見開いている。
私は少し息切れをしながら、ゆっくり言葉を続けた。
「したたかとか、そんな風に思われても仕方ないかもしれません。それでも、結婚を条件にしてでも、大事なお店を守りたかったんです」
「何ですかそれ……、結局お金目的じゃ」
「でも今は、真剣に高臣さんのことを想っています。大事にしようと、心の中で誓いました」
「そんな話、興味ないんですけど……」
「私のこと恨んでてもいいので、ひとつだけこの和菓子を食べてもらえませんか。そしたらもう、絡んだりしません」
井山さんには、すべて正直に打ち明けて真っ向からぶつかるしかないと思った。
だから、政略結婚であったことも、正直に話した。