お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
「爆裂にかわいい~! そりゃ店長の子だったら美少女になりますよね。お目めくりくりですね!」
 茉奈ちゃんは美桜の手をぎゅっと握って、「はじめまして」と笑顔を向けてくれた。
 美桜は少し人見知りをしているようだったけれど、おどおどしながらも茉奈ちゃんの手を握り返している。
 そんな様子を、高臣さんも優しく見守っていた。
「高臣さん、あと少しで仕事終わるので待っていてもらえますか?」
「ああ、咲菜もまだ会社にいるし、少し寄ってからいくよ。美桜に会わせろってうるさいからな、あいつ」
「あはは、咲菜さん、美桜のこと溺愛してくれてますもんね」
 高臣さんの呆れたような言葉に、私は笑った。
 咲菜さんは結婚してからもとても仲良くしてくれて、美桜が生まれてからは毎週のように服をプレゼントしてくれる。
 ファッションセンス抜群の咲菜さんが選んでくれる服は、本当にどれも可愛くて、親バカながら着替えさせるたびに写真撮影会が始まってしまう。
「じゃ、またあとで。茉奈さんも」
「うん、終わったら連絡するね」
 そう言って手を振り、高臣さんは咲菜さんの元へと向かっていった。
 茉奈ちゃんは隣で目をハートにしながら、高臣さんの背中を見送っている。
 そして、私と再び二人きりになると、がしっと私の肩を掴んでずっと言いたかったであろうことを吐き捨てた。
「本当に何もかも聞いてません!! 初耳です」
「ご、ごめんてっきり言った気になってた……あはは」
「とりあえず高臣さんの弟とか従弟とかいたら紹介よろしくです!」
 そんな圧をかけられながら、私と茉奈ちゃんは急ピッチで仕事を終わらせた。
 店内の掃除が最後に残っていたけれど、茉奈ちゃんの気遣いで先に上がらせてもらうことになった。
 高臣さんがここの代表ということで、茉奈ちゃんを驚かせてしまったことには申し訳ないと思いながらも、私はその厚意に甘えさせてもらうことにした。
 
 地下駐車場に停めてある車で、高臣さんと合流することとなった。
 ピカピカに磨かれた高級車の中で、高臣さんが美桜のわがままに四苦八苦している姿が外から見えて、私は思わずぷっと吹き出してしまう。
 高臣さんは美桜の前でも比較的クールなままだけど、いつも彼女の前では顔が緩みっぱなしだ。
 美桜に甘すぎてたまに私が怒ってしまうほど、高臣さんは美桜を溺愛している。
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