お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
『三津橋家の長男をたぶらかして成り上がったしたたかな女』と、書かれていたのだ。
「嘘……、手が早い……」
これを書いたのは、決して井山さんとは限らない。
だけど、噂はもう広まっているというわけだ。
百貨店の店員が、営業後にも関わらず食堂をちらちらと見に来ていたので、そっちにも噂が流されているのだろう。
あれだけ社内にファンが多い高臣さんだ。
明日からの出社、そしてこれからの仕事……どちらも難易度があがってしまったのは確実だ。
こんなことで手を煩わせている場合ではないのに……。
「永亮! おはぎもう一個もらうね!」
「お前夕飯食べてきたんじゃねぇのかよ」
「さっき牛丼食べましたけど何か!?」
永亮に焦りをぶつけながら、私はおはぎに食らいついた。
もうこうなると、高臣さんの耳にもこの情報が入ってしまうのは秒読みだ……。
そんなことを思っていると、スマホがポケットの中でブーブーと震えた。
指についたあんこを洗って、私はスマホのロックを慌てて解除する。
……咲菜さんからの電話だった。
『あ、凛子ちゃん? 元気?』
「咲菜さん! お久しぶりです。元気です」
『ごめんなさい、突然お電話してしまって』
「いえいえ」
こんな時間に急に電話がかかってくるなんて、どう考えてもあの噂のせいとしか思えない……。
嫌な予感を胸に問いかけると、咲菜さんはいたって冷静に話を切り出す。
『どうも今日、うちの女性社員が腹痛で早退したり、突然泣き出したりしてたので不思議だったんだけど……、高臣兄さんが凛子さんと婚約した噂が広まっているようね』
「婚約のことまで知れ渡っているんですか!?」
驚き問いかけると、咲菜さんは信じられないことを言ってのける。
『最初は恋人がいるという噂だったんだけれど……、凛子ちゃんのことを高臣兄さんにさらっと問いただした女性社員がいてね。兄さんは"恋人ではなく婚約者だ"とはっきり答えたようで。全女性社員が阿鼻叫喚』
た、高臣さん……。
正直に言ってくれたことはとても嬉しいけど、今はタイミングが悪すぎだ。
普通の社員だったら仕事と恋愛は関係ないけれど、高臣さんの場合は色んな場所に影響を与えてしまう可能性がどう考えても高すぎる。
「嘘……、手が早い……」
これを書いたのは、決して井山さんとは限らない。
だけど、噂はもう広まっているというわけだ。
百貨店の店員が、営業後にも関わらず食堂をちらちらと見に来ていたので、そっちにも噂が流されているのだろう。
あれだけ社内にファンが多い高臣さんだ。
明日からの出社、そしてこれからの仕事……どちらも難易度があがってしまったのは確実だ。
こんなことで手を煩わせている場合ではないのに……。
「永亮! おはぎもう一個もらうね!」
「お前夕飯食べてきたんじゃねぇのかよ」
「さっき牛丼食べましたけど何か!?」
永亮に焦りをぶつけながら、私はおはぎに食らいついた。
もうこうなると、高臣さんの耳にもこの情報が入ってしまうのは秒読みだ……。
そんなことを思っていると、スマホがポケットの中でブーブーと震えた。
指についたあんこを洗って、私はスマホのロックを慌てて解除する。
……咲菜さんからの電話だった。
『あ、凛子ちゃん? 元気?』
「咲菜さん! お久しぶりです。元気です」
『ごめんなさい、突然お電話してしまって』
「いえいえ」
こんな時間に急に電話がかかってくるなんて、どう考えてもあの噂のせいとしか思えない……。
嫌な予感を胸に問いかけると、咲菜さんはいたって冷静に話を切り出す。
『どうも今日、うちの女性社員が腹痛で早退したり、突然泣き出したりしてたので不思議だったんだけど……、高臣兄さんが凛子さんと婚約した噂が広まっているようね』
「婚約のことまで知れ渡っているんですか!?」
驚き問いかけると、咲菜さんは信じられないことを言ってのける。
『最初は恋人がいるという噂だったんだけれど……、凛子ちゃんのことを高臣兄さんにさらっと問いただした女性社員がいてね。兄さんは"恋人ではなく婚約者だ"とはっきり答えたようで。全女性社員が阿鼻叫喚』
た、高臣さん……。
正直に言ってくれたことはとても嬉しいけど、今はタイミングが悪すぎだ。
普通の社員だったら仕事と恋愛は関係ないけれど、高臣さんの場合は色んな場所に影響を与えてしまう可能性がどう考えても高すぎる。