俺様社長と溺愛婚前同居!?

「俺と結婚しろ」


 自分でも驚くほど、上から目線なプロポーズだった。

 きょとんとして驚く結花を丸め込むために、全力で押し迫る。

 でも、俺が本気だということは、まだ言えていない。

 というか、言わないほうがいいだろう。

 恋愛慣れしていない結花に、いきなり想いを押し付けたら困惑されるに違いない。少しずつ距離を縮めて俺に慣れてもらうのが優先だ。


 両親への挨拶は済ませたが、入籍はもう少し待つつもりだ。

 結花の気持ちが整ってから、入籍をしたい。

 本能の赴くまま行動している俺が言うのも何だが、ここは冷静に。彼女の気持ちを無視して強引にしすぎるのはよくないと判断した。


 すぐに好きにさせてやる。


 手加減はしない。

 今日からは、毎日顔を合わせる。

 嫌ってほど、俺を意識させてやる。男に慣れろなんて思わない。
 俺だけに慣れていけばいい。俺だけを知ればいい。
 そんなことを考えていると、扉をノックする音が聞こえてきた。
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