【完】爽斗くんのいじわるなところ。
樋口が莉愛にからもうと口を開いたそのタイミングと同時に


「すみません! 爽斗くん、ちょっといいですか…!?」


と、はしゃいだ女子の声がして、目を向けた。


見れば、栗色のストレートヘアーをポニーテールにした清楚系の女子が居た。



「あー、うん。何か用事?」


結構可愛い女子に絡まれた時点で、
俺の口角は気持ち上がってる。


「爽斗くんのことずっと気になってて……。あ! 気になるって言うのは、あの……その……連絡先とか……!」



もごもごと小さくなっていく一生けん命な声。


俯く赤らんだ顔。上目遣い。震える指先。



俺はそう言うの見ると、いつも思う。




——ほんと興味ない。


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