【完】爽斗くんのいじわるなところ。

気付けばあたしは頭を両手で抱えていた。


「ちょっとまって、そんなこと言っちゃったの……?」


こんな言葉を言われたら、あたしなら再起不能だ。



「……さすがに言いすぎだよ」


「でもこれで二度目はないでしょ」



たぶん、二度目はないけど、また別の問題が……。


こころさん……大丈夫かな。



「あの……。こころさんのフォローは……爽斗くんにしかできないと思うから……」


「知らない」


「……冷たいよ、だめだよ……!」


「うるさい。北風ってのは冷たいもんじゃねーの」


悪びれることもなく、ひょうひょうと北風という言葉を味方につける爽斗くんに、あたしなんかが何を言い返せるわけもない。


「確かにわんわん泣かせちゃったのは悪かったし、こころってやつには一応謝っとく」



わんわんと泣かせたんだ……!?


……もう。でも一応、反省の心があってよかった……。


ホッと息を吐くと。



「ねぇ莉愛。俺今日きづいたんだけどさ、」



何か意味深な雰囲気を感じて顔を上げる。


目が合う。


ドキ。

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