極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
24話「甘くて深い夜」





   24話『甘くて深い夜』

 
 新曲の演奏が終わった後も、2人の気持ちは高まったままで、そのまま「青の音色」など、3曲ほど歌った。畔の曲をピアノで演奏出来てしまう椿生に驚きながらも、畔は歌い続けた。
 それでも、やはり気になることはある。
 畔は小さく息を吐いた後、彼に問いかけた。

 『椿生………。新曲の歌詞はどうでしたか?』

 畔は誠心誠意心を込めて作り上げたし、良いものが出来たと思っている。だが、彼自身が納得いくものに仕上がっているのか、畔は少し不安だった。
 すると、椿生はそんな不安を払拭させるような笑みで首を振った。

 『この後、畔がどんなアレンジになるのか。それだけが楽しみだよ』
 『よかったです!』

 畔がホッとしてそう言うと、『俺の楽曲が世の中に出るなんて、不思議な気持ちだなー』と笑った。
 椿生の満足そうな表情を見て、畔は今回の曲は今まで以上に良いものになった、と確信と自信を持つ事が出来たのだった。





 その日の夜は、今までの暑さが嘘のように寒く、秋の訪れを感じさせる気温になった。

 『はい、これ』
 『あ、ありがとうございます』

 お風呂上がり。畔が寒そうにしていたのに気がついた椿生は、自分のパーカーを持ってきてくれていた。畔はありがたくそれを受け取りつつ、少し迷っていた。椿生の服を着るのは嬉しいのだが、香りに包まれるのがどうも恥ずかしいのだ。椿生から受け取り、戸惑ってしまう。
 そして、「どうした?」と口でそう言ってくれた後、少し考えた椿生は何故かそのまま畔を抱きしめたのだ。

 『もしかして、こうやって温められる方がよかった?』
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