極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました
29話「知りたい名前」

   29話「知りたい名前」


 気づくと、畔はいつの間にか叶汰のベットに寝かされていた。泣きつかれたまま寝てしまっていたようだ。泣きすぎて目が腫れているのか、目が開けづらくなっている。畔は目を擦りながらベッドから起き上がった。
 腕につけたままだった時計を見ると、まだ仕事には早い時間だった。
 畔はシャワーを借りることにし、ゆっくりと寝室から出る。と、そこは叶汰が寝ているリビングだ。ソファで寝ている叶汰を盗み見る。すると、寝ているのに何故か怒っている表情だった。そんな彼を見て、畔は何故か可笑しくて笑みがこぼれた。


 叶汰はお風呂を沸かしておいてくれたようだったので、遠慮なくお風呂に入った。
 畔はボーッと体を丸めて座りながら、浴槽の中で考え事をした。もちろん、椿生の事だ。

 神水椿生という名前が嘘だというのならば、本当の名前は何というか?
 (名前を呼んでも、彼の本当の名前じゃなかったのかな)
 今更気づいてしまい、畔は切なくなる。だから、振り向いてくれなかったのか気づいた。
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