極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 (………書類……。違う、音符ってことは楽譜が印刷された紙?)

 叶汰は音楽を全くやった事もない。学生の頃は「楽譜も読めない」と、音楽の頃に苦手だと言っていたのを畔は覚えていた。そんな彼が何故楽譜を持っているのか。畔は不思議で仕方がなかった。

 畔はその楽譜を眺めていくうちに、ある事に気づいた。そして、驚きのあまりに、目を見開いてしまう。

 (これって………「青の音色」の楽譜。しかも、私がアレンジする前の原盤じゃ………)

 畔が作曲した曲ではない「青の音色」。
 それはネットの友達が作曲し、提供してくれたものだ。もちろん、やり取りはその人物としかしていない。
 元の楽譜を持っているのは、畔とその人物だけなのだ。

 (………もしかして、叶汰が「海」なの?)

 自然とその答えにたどり着くと、畔は
呆然と楽譜を眺めるしか出来なかった。

 「おまえっ!!何やってんだよっ!」
 「………っっ………」
< 130 / 150 >

この作品をシェア

pagetop