極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 「いっっった!!痛いよ!畔!いたいっ!」

 突然の行動に、椿生は驚き、あまりの痛さに大きな声を上げて、顔を歪めた。
 が、畔の表情をみた瞬間、椿生はハッとした。
 椿生は怒りながらも、涙をポロポロと流し泣いていたのだ。

 『椿生は、私が社長じゃないと付き合わないと思うんですか?私が……地位なんて気にしないってわからないんですか?椿生だって、関係ないって言ってたじゃないですかっ!』

 畔は悲しいわけではない。怒りで感情が高まっているのだ。悔しくて仕方がなかった。

 けれど、それと同時に自分も同じような事で悩んだので、その気持ちがわかるのだ。

 『畔が、そんな事だけで俺を見ているはずがない。俺が自信がなかっただけなんだ。君と釣り合わないんじゃないかって』
 『そんな事っっ!』
 
 反論しようとした手を彼に止められる。
 椿生の目には、もう揺らぎも戸惑いもなかった。キラキラとした瞳でまっすぐに畔を見ていた。もちろん、いつもの優しい笑顔で。
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