極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 公園に戻ると、機材はまだ無事に残っていた。hotoRiが戻ってくるかもしれないと、ファンが守っていてくれたようだった。
 大きな機材を抱えて入ったのは、ビルの地下にあるお洒落なバーだった。彼はこの店の顔馴染みなのか店主がその荷物を見て驚き、預かってくれる事になった。


 店の奥のテーブル席が空いていたので、そこに向かう。彼は、ウィスキーの水割りを頼んだが、畔はこんな時に何を頼めばいいかわからなかったので、困った顔でメニューを見つめた。バーなどコンサートの打ち上げ以外では来たことなどなかった。

 『甘いものは好き?』
 『はい、好きです』

 彼はわからない手話になると、スマホに文章をうちこみ、それを畔に見せながら言葉も出して話してくれる。畔もスマホで返事をして、簡単なものは手話や頷いたり身ぶりをしたりして会話をした。

 『じゃあ、甘いカクテルにしよう。イチゴは好き?』
 『大好きです!』
 『決まりだね』

 そう言うと、彼はスーツ姿の店主に注文をする。畔は店主がカウンターに入ったのを見送ると、すぐに男の方を向いて頭を下げた。そして、手話で『ありがとうございました』と丁寧に言った後、スマホに気持ちを打ち込んだ。
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