極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 元々隠しておくつもりはなかった。
 畔が真剣な表情でそう伝えると、根本は目を大きくさせたが、すぐにいつもの表情に戻った。

 『……その事は後日詳しく聞かせて貰うわ。今は、状況を伝える事を優先するわ。私もあなたの所に向かっているけど、少し遠いところにいるの。だから、彼に連絡をしたわ。詳しくは彼に聞いて』

 『彼とは誰ですか?』と聞こうと思った時だった。視界に白い光と、物凄いスピードでこちらに近づいてくるものが飛び込んできた。
 それは車の目の前で急停車した。

 『今、来ました』

 スマホの向こうの根本にそう伝えた後、その「彼」に視界を向けた。

 そこには、大型バイクから飛び降り、ヘルメットを外し、畔の方を睨み付けているのは叶汰だった。
 
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