極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 社長は喜びと悲しさでなんとも言えない複雑な表情になっていた。話してくれなかったのが悔しい、そういう顔だ。

 『あの社長………私、最近お付き合いを始めたばかりでして………』
 「でも恋人なんだろ?あのhotoRiが!男に興味もなく音楽バカで、恋愛をした子ともない、hotoRiが!いつの間に大人になったんだ」
 『あの…もう26歳ですよ……』
 「年齢の問題ではないよ。ちゃんと騙されずに付き合っているんだよな?私は心配で仕方がないよ」

 そんな初めて彼氏が出来た娘を心配する父親のように、オロオロとしている社長の代弁をしている根本も苦笑するしながら手話をしていた。畔がどう話せばいいか迷っていると、社長が続けて口を開いた。

 「別にどこの誰と付き合っているのか。なんて、聞こうとは思ってはいないよ。…まぁ、どんな奴なのかは気になるが、hotoRiが選んだ男だ。信頼出来る人なのだろう」
 『はい………。社長さんらしいのですが、忙しくても時間を作ってくれてり、いつも私の事を気にかけてくれたり、私の歌を好きでいてくれたり………一緒にいると、幸せな気持ちになれる人です』

 椿生の姿を頭に浮かべながらそう説明する。自分で話しておきながら、とても立派で魅力的な人だなと改めて思ってしまう。
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