極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 誰もいない彼の部屋に自分一人。少し変な気分だった。けれど、畔は休む暇なくキッチンへと向かった。
 特別に得意というわけではない料理だが、一人暮らしをしていたのだ。簡単なものは出来る。畔は黙々と料理を行った。

 途中、キッチンに誰か入ってくる気配を感じ、畔はハッとそちらを見た。すると、ニコニコとした顔でこちらを見ている椿生の姿があった。スーツ姿はやはり何度見てもかっこいいと思い、畔は見惚れてしまう。

 『おかえりなさい』
 『ただいま。料理してくれたんだ。調味料とか、重かっただろう?』
 『マネージャーさんが付き添ってくれたので、大丈夫でした。あの、お食事とお風呂、どちらを先にしますか?』
 『…………ご飯にしようかな………』
 『どうしました?』

 何故か照れて耳を赤くした椿生の顔を覗き込む。けれど、『何でもないよ』と言うだけで、彼は着替えに行ってしまった。
 畔は不思議に思いながら、彼を見送り料理を急いで完成させた。
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