仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
トイレに入ろうとした瞬間、胎内でブチッと風船の割れるような音が聞こえた。

「えっ?」
その瞬間、下着がおもらしをしたかのように濡れ始めた。

「これって・・・」

私は慌ててダイニングルームに戻る。

「大変です!!破水したかもしれません。颯真さん」

「えっ!?」
和やかだった雰囲気が凍り付く。

「どうしよう!?母さん」
「落ち着いて下さい…貴方」

「槇村先生に電話だ!!」

颯真さんは持っていたiPhoneで産科に電話を入れる。

「そちらでお世話になっています、周防です。妻が破水した模様で…指示をお願いします」
彼は病院からの指示を訊き、電話を切った。
「颯真さん…お酒飲みましたよね…」
「いや…まだ・・・飲んでないよ。お義母さん…亜優をお願いします…」

彼は車を取りに部屋を出た。
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