今日も、明日も、お前に恋をする。
ーピチャ。
頬が急に冷たくなり、体がビクリと跳ねる。
「…っ!」
視線を横に向けると、先輩が心配そうな表情で私を見つめていた。
「ハンカチを冷やしたから、おでこに当てときな?」
これで少しましになるといいけどな、と最後に付け足す。
「…ありがとう、ございます」
先輩からハンカチを受け取り、おでこに当てる。
冷たいハンカチがヒンヤリとしてとても気持ちがいい。
それと、反対に先輩の行動にポカポカと心が温まっていく。
さっきの不安が嘘かのようにどこかに消え去ってしまう。
「また痛み出したのか?」
先輩の問いにコクリと頷く。
先輩からも私の胸の痛みについて知っている。
数回、先輩と一緒に帰っている時になっているから。
「明日、病院に行け、な?」
先輩のその言葉にドキッと心臓が動いた。
できれば、病院には行きたくない。
もし、本当に病気だったら?
その時は、私はどうすればいい?
そう思うと、怖くて行けない。
ううん、行きたくない、が本心。
何も言わない私に先輩は言葉を続ける。
「未来に何かあったら遅いだろ?
何もないならないでいいんだ。
いや、違うな。
俺が安心したいだけ…かも知れない…」
弱々しく言った先輩に不覚にもキュンとときめいてしまう。
…嬉しい。
嘘でも、嬉しい。
先輩が私のことを心配してるんだって。
そう思うと、心底嬉しかった。