【完】恋の治療は保健室で〜秘密の遠距離恋愛〜
グランドに向かっている時、若菜とは一言も話さなかった。若菜は下を向いて暗い顔をしていた。いつもの若菜はこういう移動の時でも笑顔で話して、笑って、楽しそうなのに。

「椅子、ここに置くね。しっかり応援してね!」

「もち!若菜も練習しっかりね!」

「...うん!」

「新田さんやっぱり元気ないね」

「うん。二人三脚の練習大丈夫かな?」

「またケンカが始まらなきゃいいけど。リレーの練習もあるし」

「そうだリレーもあるんだ。順番って確か...」

「上野君、僕、新田さん、平川君の順番だよ」
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