王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
13章 美久プロと授賞式と出陣と

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「美久ちゃん、お願いします。力を貸してください」


四日前。

社長室を目の前にして去った私は、退勤中の美久ちゃんをつかまえて、オフィスビルの一階にあるカフェ『 Berryz impress』で頭を下げていた。

カウンターの上にはアイスコーヒーふたつ。

白のシャツと、グレーの遮光カーディガン、そして黒のタイトスカートの美久ちゃんはストローでカラカラと氷を追いかけ回す。


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