【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「正直にいえば良かったのに『旦那様に眼鏡をつけてくように強要されてる』って」
「だ、旦那様って! 恥ずかしくて言えるわけないじゃないですか。それに、まだ籍もいれてないし⋯⋯」
その日の夕食の席。
永斗さんが私をからかってクスクス笑う声が、広いダイニングに響いていた。
今日は海外出張に行っていた彼が帰国し、4日ぶりの対面。
永斗さんの帰宅は、本社出勤のときでさえ、私が就寝してからのことが多く、同居してからはじめて共にする夕食ともいえる。(ハウスキーパーさんの手作りだけど)
忙しい永斗さんのことは心配だけど、帰ってくるのを家で待つっていうのはとても安心できる。
「でも、園部くんの心配ももっともだね。式の日取りが決まったら、早めに報告したほうがよさそうだ」
コットン素材のTシャツとハーフパンツのルームウェア姿の永斗さんは、お箸を口に運び、少し考えたあとそうつぶやく。
口元がニヤリとしてるように見えたのは、たぶん私の気のせいだろう。