具現化アプリ
随時見えると説明してしまうと『ここにはなにかいる?』『あっちにはなにか見える?』と、質問責めにされそうで面倒に感じたからだ。


「へぇ! テレビと同じで霊感にも局番があるって考えればいいんだな!」


「まぁ、そうだね……」


あたしのデマを喜んでノートに書き込んでいくコウダイくんに、あたしは苦笑いで返事をする。


実際に見える見えないを切り替えることができるかどうかなんて、あたしは知らない。


「今までどんな幽霊を見たきたの?」


「最近ではクラスメートたちが見たがるから、チャンネルを合わせて見ることが多いよ」


あたしはオレンジュースを一口飲んで答える。


「人から頼まれて見るの?」


「う~ん……その時々だけどね」


首をかしげて答える。


こういう質問は、どう答えるのが正解なのかよくわからない。


「そうなんだ。それなら、俺のお願いとかも聞いてもらえるのかな?」


「お願い?」
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