クールな社長の不埒な娶とり宣言~夫婦の契りを交わしたい~

 一喜一憂している今の心が落ち着つくのに、あとどれくらいかかるかな。

 半年、一年?
 できれば彼が結婚する前に。そうなりたい。

 結局聞けなかった恋人のこと。

 ――宗一郎、付き合っている人はいないの?

 聞きたいけれど、もし、実はいるんだと言われたらどうするの。いないと言われたら、どうだっていうの?

 私たちはとっくの昔に終わっているのに。
 そう思ううち、結局言葉には出せなかった。

 でもいつか乗り越えられるよね?

「おやすみ、宗一郎……。」

 切なさを秘めたまま、その眠りは紫織を幸せな夢へと続いた。
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