友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
足元に気をつけながら一歩一歩展望台への道を進んで行く。

この大きな木を過ぎたら、展望台だ。
そこからはふたつ並んだベンチが見える。



運動不足がたたって少し息が切れながら、私は力を振り絞って歩く。

一歩一歩に、たくさんの思い出がついてくるようによみがえった。






そして、大きな木を過ぎたところで・・・二つ並んだベンチが・・・

そこから見える光景に私は動けなくなる。


よく来た展望台。

ここにはふたつ並んだベンチがある。

変わらない場所なのに・・私はその光景を見て動くことができない。



・・・・そこにいるはずのない人・・・渉が座っていた・・・


あの頃と同じ場所に・・・
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