友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「緑ヶ丘公園でよく一人で泣いてた」

「・・・」


香澄が私にとって特別な存在だったように、私にとっては渉も・・・唯一無二の大切な人だった。


真っ暗な夜の公園。
家の近くにあるその公園は長い階段を上がると、その上が展望台になっていて、私はつらいことがあるとよく一人でその場所で泣いていた。

香澄はよく一緒にいてくれた。
でも、香澄のいない時や、香澄にあまり頼れないと思うときはよく行った公園。
私の唯一の泣き場所だった。

その公園で一人泣いているときに、何も言わずただ隣にいてくれたのが、渉だった。
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