友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
一気に重力が数倍に感じて、私は渉の肩にもたれかかった。
「玲奈っ?」
「大丈夫・・・」
「よかった」
「それはこっちのセリフ」
私は再び渉から体を離した。

「もう二度と危ないことしないで。」
「・・・玲奈・・・」
「もう絶対に危ないことしないで。」
子供を助けようとしたのはわかる。

でも、それで渉がけがをしたり命を危険にさらすのはどうしてもいやだ。
「ごめん。心配かけて。ごめんな。」
「・・・怖かった・・・」
「ごめん」
渉は何度も謝りながら私を抱きしめて背中をとんとんとさすってくれる。
< 218 / 367 >

この作品をシェア

pagetop