友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
「けがはっ!?」
渉の体を確認するように見る。

私はベッドの上にいて、渉はベッドに腰かけていた。

「大丈夫だよ。俺は大丈夫。それより玲奈の方が心配だ。」
「けがは?けがしてない?」
自分でも制御できないくらい不安が押し寄せてくる。
「玲奈。」
動揺している私の頬を両手で挟みながら渉が私の顔に自分の顔を近付ける。

「俺は大丈夫。ケガもしてなければ元気だ。」
「・・よかった・・・」
「玲奈は?どこも痛まないか?お腹は?」
私ははっとして自分のお腹に触れる。

「赤ちゃんっ!」
「さっきエコーでもう一度診てもらったけど出血もなければ元気に動いてた。痛みさえなければ大丈夫だって。」
「よかった・・・」
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