友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
私の気持ちを察して渉は抱きしめてくれる。
「大丈夫。一緒だから。大丈夫だ。」

家族のことを知ってくれている渉と一緒という事実が、私を少し強くしてくれる。

「もう少しだけ・・・」
「あぁ。もう少しこうしてよう」
このあたたかいぬくもりに励まされ、守られて安心感も感じる。

「あっ!」
「え?」
私が急に声をあげて、渉が驚いて体を少し離す。
「どうした?どっか痛い?」
「・・」
渉の言葉に反応せず、私は全神経をお腹に集中させる。

「玲奈?」
自分のお腹に手をあてて、集中すると自分のお腹がぽこぽこと動く感覚が分かった。

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