Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「良かった…」


「・・・俺は此処で待っているよ。睦月」

私と豊の元鞘を知らない母。
豊も私と一緒に居ては母が気が動転すると思い、待つと言ってくれた。

「折角来て貰ったのに…ゴメンね」

「いいよ…」

「悪いな…豊」

「いいですよ…早く行ってあげてください…」

私と兄貴は母の元に行った。

******

母は意識を戻し、父と少しだけ話をしていた。

「母さん…」

私と兄貴も母の顔を見た。

「睦月…」

母は私の顔を見た途端、涙をポロポロと流す。

「話は訊いたぞ…睦月」

「お父さん…」

「お前を想っての行動だ・・・許してやってくれ…睦月」

「分かってる…」

「ゴメンね…睦月」

「莉真・・・今は自分のコトだけを考えて…養生するんだ・・・」

父は母の涙をハンカチで拭きとり、優しく取り成した。

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