Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
俺は遅れての出社。

「社長が到着次第、会長室に来るようにとお達しです」

「分かった」
俺は瀬川に言われ、会長室を訊ねた。

「…睦月さんの容体はどうだ?」

「睦月の容体は安定します」

「そっか…」
父さんも俺の言葉を訊き安堵したような穏やかな表情になった。

「第一報を訊いた時は…どうなると思ったよ…」

「俺もですよ…」

「まぁ、座れっ」

父さんに促され、皮張りの黒いソファに腰を下ろした。

「瀬川…コーヒーを淹れてくれ」

「承知しました」

秘書の瀬川さんは給湯室に姿を消した。

「まぁ、槇村先生のご子息だし…心配ないだろう・・・」

「はい…」

「しかし、親子二代でお世話になるとはな…」

俺達三人姉弟を取り上げたのは今は横浜の産婦人科病院の院長を務める槇村先生の父親。

先日、姉貴の出産に立ち会ったのも槇村先生。

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