Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
午後からは銀座の「帝都百貨店」内にある「クッキングスクール」へと足を運び、講師としてキッチンに立つ。

おかげさまで、私のスクールは好評で、入校半年待ち。
私はスクールのバックルームにある業務用の冷蔵庫を開けて、食材の確認をしていた。

キッチンスタジオに行けば、忙しくスクールの講師と専属のアシスタントたちが調理台に人数分の椅子を並べ、今日作るレシピのレジメを並べていた。
「先生、もう少しで準備が整います」
山城さんが私に報告してくれた。

「ありがとう、山城さん」

私は腕時計の覗き込み、時刻を確かめた。

「忙しそうだな…」

兄貴がブラブラとキッチンスタジオに入って来た。

「何よ…仕事は?」

「仕事はちゃんとしてるよ…そうだ・・・午後三時から・・・此処に豊のヤツ来るんだけど…連れて来てやろうか?」

「はぁ?」



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