Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「予約の神楽坂です…」と店先に立つボーイに言うと予約した個室ルームに案内してくれた。

五、六人ほどの小規模スペースのバンケットルーム。
ゆったりと寛ぎながら飲食できるレザーソファとローテーブル、夜景を見ながら楽しめるカウンターテーブルと二パターンの飲食スペースが設けられていた。

二人でソファに腰を下ろし、豊の登場を待った。

「先に少し飲んどく?睦月」

「そうね…」

テーブルにおかれたアラカルトメニューを眺めていると豊が入って来た。

「遅れて申し訳ない」

「えっ?」

豊は見知らぬ女性を連れて来た。
千里さんは彼女に好奇な目を向けた。

「豊、彼女は誰?」

「紹介する。亜久里摩弥(アグリマヤ)さん、俺の恋人だ」

「初めまして、亜久里摩弥です…よろしく」

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