Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
よくよく考えてみれば、おかしな点はあるけど、余り気にしてなかった。
「じゃそのうちに摩弥さんが部屋に入る所も目撃するかもな・・・」

「そうかもね…」

「しかし、豊のヤツも恋人連れて来るなんて…やるな…」

「えっ?あ・・・」

私達は残ったメニューを食しながら喋り込む。

「実は…豊と摩弥さんもフェイクラバーだったりして…」

千里さんは冗談っぽく言いながらグラスビールを飲んだ。

「どうして豊が偽物の彼女を連れて来る必要あるの?」

「睦月はどうして俺を豊に紹介した?」

「それは…その…豊のコトを今でも想ってると思われたくないし当てつけよ…」

「・・・素直じゃないな…今でも豊のコトスキなんだろ?」



「・・・うるさいわね。千里さんだって都合よく私を使えばいいのよ…その為のフェイクなんでしょ?」

「まぁな・・・」

千里さんは前髪を弄り、グラスビールを飲み干した。

「で、今夜はどうするの?豊の居る六本木の自宅マンションに帰るのか?」

「貴方が泊まると言った手前…帰れないでしょ?」

「…じゃ決まりだな…」

「何が決まり?」

「お泊りだ・・・」

「・・・私達…フェイクよね…男女の関係にはならないのが前提でしょ?」







< 62 / 249 >

この作品をシェア

pagetop