Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「睦月はそう思ってたの?」

「うん」

私は強く頷く。
千里さんは参ったように頬を掻いた。

「睦月って…固いな…まぁ、今夜はいいよ…君も部屋取って別々に泊まろう」

「・・・そうね…」

私はソファを立ち、窓際のスツールに腰を下ろし、ぼんやりと夜景を見つめた。

「そんなに豊のコトがスキなら、どうして離婚した?」
千里さんも隣のスツールに腰を下ろす。

「家の事情よ…私…二度流産して、一度死産してるの・・・『不育症』って言う病気なの。子供が産めないのよ…」

「神楽坂家の後継者問題が絡んでいるワケか…そう言う由緒ある家柄に生まれた人間は大変だな…」

「分かった?千里さん」

「分かった…睦月も辛かったんだな…よしよし」

千里さんは私の頭を撫でて慰めてくれた。

「でも、グランピングは四人で行こうぜ…睦月」

「うん…」



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