Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
バンケットルームでは皆が私を待っていた。

「神楽坂先生!!」

「遅れまして申し訳ありません…皆さん」

私は離婚したけど、旧姓西苑寺には戻らず、豊の苗字のまま、料理研究家として活動していた。

ショッピングモールの二階の一角に私が講師を務める『神楽坂睦月クッキングスクール・有明』をオープン。
そのオープン記念の打ち上げを楽しもうと関係者達を私の顔で招待した。
人数は二十人程。

「皆、私の顔でちゃんと入れましたよね…」

「はい…先生皆揃っています!!」

私のアシスタントの一人・山城立夏(ヤマシロリツカ)さんが辺りを見回し、応える。
山城さんはボブカットでブラウン系のカラーリングのヘアにゆるふわのパーマをかけた小顔の可愛い系の二十七歳。見た目はフワッとした不思議ちゃんに見えるけど、しっかり者で一番頼りになるアシスタント。



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